その腰痛、本当にヘルニアが原因?
その腰痛、本当にヘルニアが原因?
皆さんの周囲に「俺はヘルニアもってるよ」とか「「専門医でヘルニアと言われた」と話す人がやたらと多いと感じませんか?
あげくには「整体院でヘルニアでしょうといわれた」など何を根拠にヘルニアと判断しているのかも疑わしい話を多々耳にします。
いつだったか某番組で、題目がプチヘルニア!
整体師だったか自称カイロプラクターだったか記憶があいまいですが、スタジオで数名の患者役をベットにうつ伏せに寝かせ腰椎をさっと触診し、「プチヘルニアです」などと言っていたのには呆れました。
最近の健康関連の番組は闇雲に視聴者に恐怖を煽っている様に感じます。
腰痛や坐骨神経痛は様々なヘルニア以外の原因でも起こりえますし、実際のところヘルニアがあっても痛みや痺れの症状を持っていない方はが多くいらっしゃるのです。
「ヘルニア=痛み・痺れ」では無いのです。
「医者(西洋医学)は科学的で安全だ」という固定観念や思い込みがあるわけですから、整形外科などでX線やMRIなどの画像を見せられ説明されるとやっぱりヘルニアが原因だと信じちゃいますね。
ところが、その画像診断も眉唾物なのです。
例えば患者Aさんが腰痛と痺れで専門医を受診したとしましょう。
数種の整形外科テストや簡単な神経学テスト等ををして画像をとります。(触診テストするだけましかも)
画像にヘルニアがあれば医者は 「ほらヘルニアです」 ってことになりますが、もし画像にヘルニアらしきものが無ければ、他の理由を探し「関節の間が狭い」「骨が変形している」等理由を探す訳で
す。(探さなければ診断つかないので保険は請求できません)
本当の所、診断名は何でも良いのでは?と思えてなりませんね。
その証拠にヘルニアが原因として、どんな治療を行っているのでしょうか?
相変わらずの電気治療、牽引、温熱療法、痛み止めの注射、湿布。
注射以外の殆どは接骨院や他の治療院でも同様に行われていますね。
これらが本当に治療と呼べるのでしょうか?
どこに科学性、EBMがあるのでしょうか?
加茂整形外科のHPでは「ヘルニアといわれたら安心です」とまで言っています。
そのページだけ紹介させて頂きします。
詳しくはこちらをどうぞ加茂整形外科医院
生理学的矛盾、統計的矛盾、臨床経過的矛盾
「ヘルニアが痛みの真犯人説」にはいろいろな矛盾があることを医師は知っていますが、その矛盾に正面から答えようとしません。矛盾は医学につきものの例外としてかたづけているようです。権威ある医師の書いた医学書を唯一のバイブルとして思考が停止しているかのようです。手術してもよくならない患者さん、再発を繰り返す患者さんとじかに接することの多い理学療法士や看護師のなかには「何かおかしい」と感じている人も多いことでしょう。
1、健常者の中にもかなりヘルニアがみられる。
2、ヘルニアが圧迫している神経支配領域と痛みの場所がちがうことが多い。左右のちがいがあることもある。
3、神経を圧迫すると痛みがでる??,これは患者さんは疑問に思わないかもしれないが、生理学を勉強したものにとっては疑問です。ギプスなどで神経が圧迫されると麻痺が生じます。
4、神経根が炎症を起こすと痛みがでる??,物理的な圧迫でなくて化学的な変化で説明を試みる人もいるが、たとえそうだとしても、なぜ痛みが生じるのか。
5、神経の走行に沿って圧痛があるといわれているがその理由は?
6、保存的治療で治ることが多い。圧迫を放置すると不可逆的変化が生じると考えるのが普通です。
7、手術で除去しても治らないことがある。
8、神経根ブロックや硬膜外ブロックが効かないことがある。
これらの疑問、矛盾に明快に答えたものをみたことがありません。それなのにヘルニアを痛みの真犯人とするのは強引すぎます。激論を戦わせてもこの説は勝ち目がありません。
ヘルニアと痛みは無関係です。では手術でよくなる人がいるのはどうしてでしょうか。全身麻酔で手術した場合、麻酔による脳のリセット、筋弛緩剤による筋肉の完全リセットの効果ではないでしょうか。またカイロや整体でよくなる人がいるのと同じことで「痛みの原因を退治したという儀式」で脳が沈静化することもあるからでしょう。
いろいろなタイプのヘルニアがあるのではなくていろいろなタイプの脳があるといわざるをえません。
痛みの真の原因は生理学的不具合なのですからどのような方法を用いても結果的にそれが収束する可能性はあります。
思い込みや印象に基づいた医療を卒業して、痛みのメカニズムに基づいた医療を!!